作業療法士の転職メリット・デメリット完全解説

目次

①はじめに「作業療法士としての働き方を見つめ直す

作業療法士として働き始めて数年、このままこの現場で働いて良いのだろうかと考え始めていませんか。

患者さんの身体介助や他職種で連携しコミュニケーションをとることの負担、毎日の残業、給与もなかなか上がらない‥

管理職の人たちは毎日多忙で、ここではキャリアを積むことを考えられない。

やりがいを感じることもあるけれど、職場に行くのが辛い。

そんな悩みを感じ始めている作業療法士の方は多いのではないでしょうか

筆者も新卒から医療現場で働き、作業療法士としてその後のキャリアに悩んだ時期がありました。

②今回伝えたいこと「作業療法士としてのキャリアは一つではない」

近年キャリアは一直線に積み上げるものではなく、途中で組み替えていいものと考える人が増えています。

専門職としてのキャリアを積んでいく作業療法士も同様です。

多くの作業療法士が悩むことは

・「大切にしたい価値観」

・「ライフステージの変化」

・「今や将来の自分の体力」

などのバランスをとりながらキャリアプランを描いていくことの難しさではないでしょうか。

今回は専門職のキャリアガイドとしてお悩みを抱える作業療法士の方に向け、将来のキャリアが少しでも広がるお手伝いができる内容をお届けいたします。

③作業療法士のキャリアの選択肢が多い理由とは

作業療法士の仕事としての強みは主に「その人らしい生活を支える」ことです。

・身体、心理、環境を統合する力

・生活全体を見る視点

これらは特定の分野に依存しないスキルです。

このようなスキルを活かして活躍することができる仕事はたくさんあります。

例えば

回復期病棟勤務 → 訪問リハビリ

臨床現場    → 大学や専門学校教員

病院勤務    → 起業・在宅ワーク

と形を変えても、「その人らしい生活を支える」という軸は変わりません。

特に作業療法士は

・体力

・感情労働の負荷

・ライフイベント(結婚、妊娠、出産、介護)

の影響を受けやすい仕事です。

20代では問題なかった働き方が、30代、40代では負担に感じるようになるのは自然なことです。

これらによってキャリアの方向性を変化させていくことは

「キャリアがブレた」わけではなく、その時の自分に合わせて調整しているだけともいえます。

その人に合わせた様々なキャリアを描く方法があります。

④作業療法士の転職において感じやすい悩みとは

④-1作業療法士の転職におけるデメリット「転職先が”似た職場”になりやすい」

作業療法士で転職と聞くと、前職と仕事が関連するような医療福祉機関を視野に入れる方が多いのではないでしょうか。

急性期病院 → 回復期病院

総合病院  → 訪問看護ステーション

といったように、医療福祉機関内での転職を考える人が大半であると考えます。

そのため作業療法士として働く上で悩みとなりやすい

「身体的負担」や「組織体制による業務負荷」、「人間関係」といったことの実態は似たような状況に陥りやすいです。

そのため、転職後に前職と同じことで悩みやすい点はデメリットと言えるでしょう。

④-2作業療法士の転職におけるデメリット「未経験職への転職が難しい」

作業療法士としてのお仕事の特徴として、

「スキルとして何ができるかわかりにくい」といったことが挙げられます。

「その人らしい生活の支援をする仕事」と、他職種の人が聞いても、何をしている仕事なの?と感じる人も少なくはないでしょう。

実際に働く現場においても

「理学療法士の補助的扱い」となってしまい作業療法士としての専門性を発揮することができない

といったような状況になってしまうことも。

作業療法として特徴的な「輪投げ」や「手遊び」などを取り入れたリハビリも、相手によっては目的を説明しても、ただの遊びと捉えられてしまうこともあります。

結局理学療法士と同じリハビリを実施している、というような状況に陥りがちです。

このように一般的に作業療法士の専門性は理解がされにくく、

未経験の職へ転職しようと思うとさらに理解されるハードルは高く、デメリットになり得るでしょう。

⑤作業療法士として転職するメリット

⑤-1作業療法士の転職メリット「実はスキルを活かせる場が多い」

作業療法士のスキルが活かせる現場は実はたくさんあるのです。

先述したように作業療法士は

「その人らしい生活を支える」

というスキルを持ちます。

このスキルは一見理解されにくいですが、見方を変えると多くの場所で求められます。

具体的な職業として例えば、

作業療法士の特徴である精神・心理的側面への支援スキルを活かして、

リワーク支援、カウンセラー業、アートや動物介在などの活動支援といったことも行えます。

身体機能に対する支援を活かした職として、

生活期リハ特化型デイサービスや、フィットネス、ヨガ・ピラティス講師なども行えます。

福祉分野で活かせる現場として、

相談支援専門員や、就労支援のサービス管理責任者、福祉用具専門相談員なども挙げられます。

どの仕事も「その人らしい生活を支える」という軸は変わりませんし、作業療法士のスキルが活かせる職業です。

このように作業療法士の活躍できるフィールドはたくさんあります。

⑤-2作業療法士の転職メリット「働き方を調整しながら+αのスキルを得られる」

作業療法士は、これまでの経験を活かしながら、働き方を調整して+αのスキルを身につけやすい職業です。

筆者自身は20代で2回転職していますが、1度目の転職後、訪問看護ステーションで非常勤で働きながら、心理学の勉強をするために大学院へ通っていました。

作業療法士として人の心に触れる仕事を経験したことから、より深く心理支援をしていきたいと感じたことがきっかけです。

また、作業療法士の非常勤での一般的な時給は1500〜2000円程度と平均よりも比較的高いことはメリットです。

そのため、非常勤でも工夫をすればある程度の収入を得ることができます。

一度非常勤で働いても、資格の需要が非常に高いため正職員に戻ることも可能です。

非常勤で働きながら+αの将来の働き方を見据えたスキルを身につけることも十分可能で、キャリアを広げやすいです。

⑥まずは何から始めたら良い?

⑥-1自分が大切にしたい「支援の軸」を言語化する

まずは、

・身体機能への支援

・精神、心理面への支援

・生活、就労、社会参加への支援

など、自分がどの分野で「その人らしい生活を支えたいのか」を整理します。

これは、転職、副業、学び直し、全ての判断軸になります。

⑥-2興味のある分野の情報収集をする

気になる職種や分野について、

・実際に働いているひとの発信(SNSやブログ)

・求人情報

・研修や資格要件

を調べ、自身の「理想」と「現実」について検討しましょう。

⑥-3非常勤・副業など小さく試してみる

すぐに転職を考える必要はありません。非常勤や業務委託など、作業療法士として働きながら新しい分野に触れることで、リスクを抑えて経験を積むことができます。

⑥-4 +αのスキルを検討する

将来の選択肢を広げるために、

・心理学

・福祉制度や就労支援

・運動指導(ヨガやピラティス)に関する勉強

など自分の方向性にあったスキルを身につけることを検討してみましょう。

⑥-5 いつでも戻れる安心感をもつ

作業療法士は需要の高い資格です。

一度別の道に挑戦しても、正職員として戻れる可能性が高いことは大きな強みです。

この安心感を土台に、柔軟な働き方を選択していきましょう。

上記のことについて少しずつ整理していくことで進みたい専門職のキャリアを描くヒントとなるでしょう。

⑦作業療法士の転職のメリット・デメリットの整⑦

ここまで、作業療法士の転職における課題として、

「転職先が”似た職場”になりやすい」「未経験の職への転職が難しい」

という点を挙げてきました。

しかし、視点を変えることでこれらはメリットとして捉えることもできます。

作業療法士がもつ「その人らしい生活を支える」という特有のスキルは医療・福祉の枠にとらわれず、未経験の現場でも活かすことが可能です。

自身の大切にしたい価値観や働き方を整理していくことで、支援を受ける側だけでなく、働く作業療法士自身が「その人らしい生活」を描けるようになります。

⑧まとめ

作業療法士として働く中で誰しも一度はその後のキャリアについて考えるでしょう。

その中で様々な悩み、不安をもつことは自然なことです。

作業療法士がもつ「その人らしい生活を支える」という視点は、医療・福祉の枠を超えて、これからますます求められていく力です。

働く場所や形が変わってもこの軸が失われることはありません。

自分の価値観や大切にしたい働き方を見つめ、小さな一歩を重ねていくことで、キャリアの選択肢は少しずつ広がっていきます。

作業療法士として培ってきた経験はこれからの未来を支える土台となり、その上にあなたらしい働き方を描いていくことができるでしょう。

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